

2008年4月12日。アナタたち!この山桜撮ったぁー?さぁ、メールをチェックしなくちゃ。あらっ!「比良味噌」さんからメールよ。みんな来てくれるわよ〜!もう薪ストーブをつけなくても暖かいわね。でも薪ストーブはいいよねぇ。私たちも燻製されて。石油ストーブの臭い嗅いだら吐きそうよ。山桜が満開ね。出っ歯の人にはアダナをつけるのよ、山桜って。だって歯(葉)が先に出てるじゃな〜い。ククク。さぁ、アナタたちも仕度してっ!かんじる比良が始まるわよー!!
そんな続きを製作中です。お楽しみに。 |



2008年4月12日と13日。比良駅から徒歩15分、森の中にあるギャラリー スクーグにて「まったりし隊のかんじる比良写真展」を開催することになりました。
比良駅を降りて、ほっとすていしょん比良で土地の香り、健康な味がするご飯を食べてからでも良し!ほっとすていしょん比良を左手に見ながら、最初の十字路を山へと歩きます。右手に菜の花畑、少し歩いて左手のお地蔵さんにご挨拶。双子神社へと車道を渡り、車に注意しながら右へと歩く。最初の小道を左折し山へと歩き、パイロットの保養地の前を左へと曲がり、道なりに行くと、黒いとんがり屋根の家の横を抜け、砂利道が一瞬、アスファルトに変わってしまうけれど、そこにはミモザが咲いていて、きっとサクラも見事でしょう。
とんがりの木を目指して歩くと、そこはどんぐり小屋。さらに真っ直ぐ歩き、突き当たりを左へ登ります。木々のアーチをくぐリ抜け、ウグイスの声を聞きながら、突然あらわれる比良の山々を仰ぎ見て、ゴロゴロ石の道を真っ直ぐ登ります。
倒木に生えた苔や、広葉樹の森を抜け、左手にあるツバキの花に見送られて、舗装された道路に出ると、右前方に立派なサクラの木がお出迎え。その横に目的地、ギャラリー
スクーグがあるのです。
手入れされた庭を見て、大きな木のトビラを押し開けると、そこには比良山中の木の葉を写した高橋とみえさんのTシャツたちと、比良をとらえたハヤシヨシコの写真、マツイヨシノリの言葉の世界、そして素敵なオーナー夫妻がアナタをお待ちしております。
ぜひ、お越しくださいませ。
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2007年11月17日。会いたい人がいるから比良へと向かう。今日は「かんじる比良」という地域のイベントが行われているので、我が隊も急いで合流するのです。京都を過ぎ、電車の窓から寒いがゆえに温かな太陽の光に照らされようと、ベランダから母子が、見知らぬ階段に父子が電車を見て笑っている。太陽のぬくもりは何にもかえ難いもの。そんな太陽のような人が比良にはいるのだ。

※小さな写真をクリックすると拡大表示されます。また拡大後、画像の右側クリックでスライドショーに
蓬莱山が紅葉で燃える志賀駅で、ホームからヨシコは階下の猫を「ニャー!」と叫び呼び止める。猫は無言で瞬きで挨拶を交わし、魚道新しい小川で白き鳥が魚影を探す。今、何時なのかは分からない。いつ次の電車が来るかも分からない。いずれは来るだろうし、それよりもこの瞬間を感じること、そして朝の気持ちよい空気と、元気なヨシコさんがいれば十分なのだ。比良に到着し、さっそく「ほっとすていしょん比良」にお邪魔する。陽光に輝く蜘蛛の糸と、ピンクに彩るコスモスの花が印象的なのだ。
地下水をいただきながら、里山汁でほっこり。ヨシコの帽子がコスモスの花と同じ色でおもしろいなぁと思いながら珈琲で内から温まる。その座席は水田の中に設けられ、大地に根を生やすがごとく机とイスが鎮座する。その机の上には草花で彩られ、おもてなしの心がそこには咲いているのです。トイレに行こうとするヨシコに、お店の方が「水の前を通ってどんつきを上ですー」なんていうのにヨシコは「ご説明の水あたりから分かりませーん」と言うので大笑い。それを見守る僕の前にトンボが止まり、寂しくないかとばかり相手をしてくれる。そして焼き芋の準備の香りとともに、次第に広がるであろうこのイベントを楽しみに、山を目指して歩き出すのです。

ヒバリかスズメか分からぬが、鳥のさえずりを受けながら散歩する。背後では日本海へと旅立つサンダーバードの鉄の車輪が快音を響かせるが、今日だけは雷鳥の雄たけびと表現したくなるような空。そこには雄大にトンビが旋回し、草花の間をテントウムシが闊歩する。

イチョウが黄色く空に映え、カラスがその黒い羽を使うことなく道を歩いている。ボクたちが勝手に「編集者Fさん迷いの森」と呼ぶ森を抜けると、そこには以前、ヨシコが写真の仕事でお邪魔したギャラリー「skog」があるのです。
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今日、会いたいひと。その人は「山に来たのー?」なんていうので、「今日はかんじる比良に来たんです」と伝えると、顔が晴れやかに。好きなものを語るとき、カラダの奥底から火達磨のようになる情熱が素敵だなぁと思ってしまう。旦那さまもまた、秘められた情熱をもって鉄をくねくねと作品に仕上げておられるのです。そんなお二人を前に、すっかり甘えてしまうとはこの時にはまったく夢にも思わなかった。

雑誌の仕事の思い出話もそこそこに、そのskogのTさんは、「おいしいわ〜、あぁ、おいしいわ〜」なんていいながら月旅行。卵白と和三盆というシンプルな「月世界」という和菓子とお茶をいただきながら、好きなものを語らせると比良随一の好奇な目で、私たちの次なる方向性を指し示してくださる。この先のね、鉄のアートの写真をご自慢の腕で撮影していただいて、それから私の車でSOUP
FURNITUREという家具のお店にいくの。車で送ってあげるから、あとは自分たちで帰りの車をみつけるのよ。さぁ、まずは鉄のアート写真を撮影してらっしゃ〜い♪なんて調子で、さっそくCARRY
ART STUDIOの方へ向かう。
鉄の写真は初めてだといいながら、ヨシコはシャッターを切る。IRON MANというタイトルに、お前は人間になりたいんだねとささやきながら時間は過ぎていく。撮影しながら「アイロンマーン」と、ヨシコは言う。ボクは「アイアンマン」ではないかとも思うのだが、こんなにもヨシコが草むらに転がって写真撮影を行うのは非常に珍しいので、のんびりと見守ることにする。

あぶなーい!ドーン!側溝を前に急ブレーキ大好きskogのTさん。どうやらSOUP
FURNITURE(スープファニチャー)への道案内にご不満らしく、到着後すぐに開口一番、「あの曲がり道に標識が欲しいわ〜」とSOUP
FURNITUREのご主人Oさんに詰め寄る。何しろ乗ってきた車のトビラ全開で、閉める間もなくお話をはじめるのだから、いかにこの「かんじる比良」という企画に情熱をささげているかが現れていると思う。ちょっと、車のトビラしめといて〜♪とひと言、そのまま家具屋さんへ。急いでボクはトビラを閉めてまわり、家具工房にお邪魔すると、そこにはビックリするぐらい夢のような空間がありました。
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広々とした空間に、木々の香りが立ち込めている。真っ先に目についたのはダルメシアンのかわいい子(ごめんね、ボクたちが来たばっかりにカゴの中で過ごさせてしまって)だが、このご自宅の空気感そのものが素敵。隅々まで配慮された思考がゆっくりと心に入り込んでくる。ハンモックに揺られる午後のひとときを考えただけで腰が抜けそうになるぐらい幸せなひとときであろう。家具や工房については12月3日に販売される「自給自足」という本をぜひ、ご一読ください。そして、足を運んでみてください。腰が抜けますから。(ピザのおいしさにもビックリしました!トマトがトロトロなんです♪ピザ屋さんじゃないですよね?)するとご主人のOさんが、自慢の焚き火スペースについて教えてくれる。そこで皆と焚き火をしながらお酒片手に語り合うそうで、テント旅、焚き火、お酒大好きのボクからすると、神の領域である。あぁ、ぜひ誘ってほしい。そしてskogのTさんは「ここのシステムキッチンが最高なのよ〜っ」なんて気分で、それはそれは笑顔で去っていく。しかも見知ら方にボクたちを車まで次の目的地まで連れて欲しいということをしっかり頼んでくれてから。

skogのTさんが、ボクたちを紹介してくれた方は、南比良のTさん一家で地元の方だそうです。初対面にも関わらず車に同乗させていただき、本当に本当に助かりました。じつは家族とのひとときを壊してはいないか心配でしたが、次に訪れた庭工房のご婦人に「1時間前から友だちなんです」と紹介くださったときに、内心ホッとしたことを記憶しています。
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そんな南比良のTさんは、地元の素晴らしさを熱弁。前に住んでおられた関東平野との違い、故郷を離れてはじめて分かる故郷(比良)の良さ、行き止まりと書かれた標識を見ても「地元民は騙されないぞ」とそのまま突っ切る男気、またお子さん「カンちゃん」の溺愛ぶりと、比良山系と琵琶湖に挟まれているがゆえの小学校区の細長さ、奥さんをMちゃんと呼ぶ茶目っ気、常に車の中は和気藹々とし、比良を愛する心の深さをかんじたのです。

そして向かったギャラリー季気のご婦人が、住まないと分からない喜びについて、庭に10年かけていること、そして雪深さなど四季折々の風景について教えてくれる。そして街路に群生するミントをもぎ取ると、これはこのまま植えたら、どんどん生えてくるんですよ、コツは自分の敷地外に植えること。だってすごく育つのですからと、笑うのです。(いただいたこのミントは、今でもわが家ですくすくと育っています)
Tさんもこのイベントは地元の私たちにも新鮮な驚きをくれると、おもしろいを連発。確かに灯台下暗しではないが、知らないことを知る喜びは、どこに住んでいても同じ気持ちでしょう。

そして麓湖窯陶芸教室は木陰にあった。小さな入り口をくぐると寡黙なご主人が迎えてくれる。突然、カンちゃんが陶芸家のお腹に指をブスリ!皆でびっくりしていると、どうやら小さな粘土の欠片が欲しくておねだりしているようなのだ。陶芸家の方は目が優しくなって、その小さな粘土をカンちゃんに差し出す。するとカンちゃんは本当にうれしそうにその宝物をしまうのです。実はその小さなポケットには道中で拾い集めたドングリでいっぱい。これからどれぐらいの宝物が入るのでしょうね。
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裏庭には、ガマズミや冬青(そよご)、ムラサキシキブが咲く。Tさんも、もうひとりの方も二言目には「猿、来ませんか?」と聞いていたのがおもしろい。興味深かったのは、炭になった果物。パイナップルなんて1年乾燥させ水分を抜くと、キレイなカタチの炭になると楽しそうに教えてくれる。何よりも愛犬の名前がステキ。毛並みの色からかなー。キナコというのです

おい!見てみろ!急にTさんが吼える。猿か何か野生の動物か!?と思った矢先、タラの芽畑やー!と大はしゃぎ。全員、大笑い。おい、カンちゃん、これが漆だ、漆。あれは○○だ!とTさんは見えるもの全ての知識をカンちゃんにおすそ分け。まさにお父さんが「かんじる比良」中なのだ。
歩いているとカンちゃんが宝物をひとつくれた。それはカンちゃんが集めたドングリの中で一番大きなもので、それをそっとボクにくれるのです。いいの?と聞くと、はにかんで歩き出す。そのドングリはボクのポケットに大切にしまわれ、今も部屋の小瓶の中にしまっている。それを見ていると、この比良からの恵みを独り占めすることなく、分け与えることを教えてくれたカンちゃんを思い出し、人はそもそもそういう生き物なのだな〜と思うことができるのです。(きっとカンちゃんのカンは「かんじる比良」の「かん」だ。)
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カンちゃんは、さっそくアミカちゃんとお遊び。やっぱり子どもは子ども同士がいいのか、ここでもカンちゃんはアミカちゃんにドングリをあげている。アミカちゃんは「どんぐりころころ」の歌が好き。いつも歌って、鼻をたらしている。そしてTさん夫妻とカンちゃんと別れのとき。カンちゃん、バイバイ。するとカンちゃんは、バイバイってどういう意味と聞く。ボクはそのとき笑ったが、その意味を別れてからよくよく考えてみると、バイバイってあまり意味のない言葉のように感じた。だってまたどこかで会えるのだから。
ROZ&MARYは14時29分。ランチは14時30分まで。まだランチは食べれますか?と聞くと、あら、もうそんな時間?でもぎりぎりオッケーよ、とランチを作ってくださる。11月のこんな天気は貴重ですねと、カフェのお姉さんがいいながら配膳してくれ、ここにはのんびりとした時間が流れているのだなぁと、心地よい音楽にも身をまかすのです。

これから比良は長い冬を迎えるのだろう。山裾に日が傾いていく。急いでskogに帰ろうと、少し冷たくなってきた風の中を二人で歩く。skogのトビラを開けようとすると中からskogのTさんがまるで知っていたかのように「おかえり」と迎えてくれる。そして私には透視能力があるのよとばかり、会心の笑顔をくれるのだ。そして南比良のTさんが少し前にskogに寄られたらしく、無事ボクたちふたりを麓まで案内しましたよ、かんじる比良は触れ合う比良でもありましたねとskogのTさんに伝えてくださったようで、とても嬉しくなりました。
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帰ろうか。楽しかったね。比良駅に向けて歩き出すと、田んぼが夕陽で真っ赤にそまっている。コケコッコーという鶏の声を背に受けて、1度は自動車で下った道をのんびりとかみ締めるように歩く。今日は最高やー!という駅前の自転車置き場おじさんのステキな笑顔が忘れられない。ほっとすていしょん比良で、見知らぬおじさん二人とお茶を飲みながらわいわいと世間話。二人とも歯がすごく大きなおじさんで、話を聞いていると家には誰もいなくなったので、ここに来ると誰かはいるだろうと来られたようだ。そんな憩いの場のお漬物が最高においしくて、また四季折々の比良に足を運んでくださいねと、お土産の漬物をいただく。すていしょん比良の珈琲はおいしいけれど、今度は紙コップじゃなくて、比良の焼き物のカップでいただきたいなぁとも思うのです。

一度目の比良の帰りとまったく同じ時刻の電車にのる偶然に驚く。車内で今日一日のことを振り返る。今でも心に残っているのはskogのTさんの「おかえりなさい」という言葉と、南比良のTさんは「かんじる比良」を最高に満喫されていたこと。だってカメラを持たず、その瞬間を家族とともに大切にされているのですから。そしてこの比良に目を向けさせてくれた友人、Yumiちゃんと、雑誌編集者のFさんに心より感謝しています。

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